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 2016年12月24日-25日に東京ビックサイトで開催された、FINAL FANTASY XIV ファンフェスティバルの「ファンアートコンテスト」(クラフト部門)において、Glass Carving 「蛮神グラス」が入賞を頂きました

 最終審査方法は、入場者数14,000人を超えるFF14ファン達による投票。私もFF14ファンの1人ではありますが、自分が地道にやってきた事がこのような形で賞を頂けるとは夢にも思っていなかったので、非常に嬉しくまた光栄に思っております。投票してくださった皆さん、ありがとうございました!

◆◆◆ 作品紹介 ◆◆◆

人魚姫 - 想い -

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- 蛮神グラス -

 “ファイナルファンタジー”とは日本を代表するゲームシリーズのタイトルの一つで、今では海外からも多くのファンを獲得していることでも有名です。ゲームをよく知らない方でも、もしかしたら「ファイナルファンタジー」という名前くらいは聞いた事があるかもしれません。

 そのファイナルファンタジーのタイトルナンバー14作目に当たる「FINAL FANTASY XIV」の公式イベント(FINAL FANTASY XIVファンフェスティバル2016 in TOKYO)に出展したのがこちらの「蛮神グラス」です。

 まずは、公式の応募作品(ファンアート:クラフト部門)の中から、一次審査で50点の立体アートが選出。最終審査は日本最大の東京国際展示場(東京ビックサイト)のホールで行われる事となっており、来場数のべ14,000人のFF14ファンの投票によりその場で入選が発表されました。

 この作品は、FINAL FANTASY XIVのストーリーの要となる「蛮神」と呼ばれる神々を様々な形のグラスに彫刻したもので、それぞれの特徴にあわせて一番美しく見える構図、配置、削り方を取り入れた「複数で一つの世界観」を表現した立体アートとなっています

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- Ifrit -

 「炎獄の神」と呼ばれるイフリートは、非常に獰猛で猛々しい神として知られる存在で、その息は燃え盛り、その爪は鉄を溶かし、 その角は天を焦がすと伝えられています。

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 このグラスは、イフリートの隆々とした筋骨、硬質な皮骨、恐ろしい歯や鋭い爪などが、見る人に直感的に伝わるように、荒々しい直線と曲線を無数に組み合わせて彫刻した雄々しい作品となっております。

 この作品の技法としては、研削工具に角度をつけて、ガラス本体をえぐるように傷をつけていく手法を選びました。またひっかく様に欠きだしたガラスのエッジは、最終的にはっきりとした光の反射を生み出す事に成功。

爪1本の先端だけをとっても50回以上の削りを施しており、最終的な仕上がりには数万本の線の集合体となっているのも他のグラスにはない特徴的な作品となっております。

- Garuda -

 「嵐神の神」と呼ばれるガルーダは『軽々と宙を舞う姿はとても優雅だが、血を好む残忍な性質を持ち、 信徒からも「無慈悲な女王」として恐れられている。』とされています。

 美しい肢体をもち、羽根で風を操る女性型の神である事から、まず私が一番に表現したかったのは、やはりガルーダの代名詞ともなっている4つの美しい羽根でした。

 しかし、この羽根は美しいだけではありません。神の怒りに触れた時には、容赦なくこの羽根が空中に舞いあがり、大地に突き刺さるといった狂暴的な動きを持ち合わせている事から、グラスの上部分には、繊細ながらも力強く広げられた羽の様子を感じてもらえるようなデザインを施していきました。

 

 グラデーションを感じさせるような彫刻をGlass Carvingで表現するのはとても難しい事なのですが、この作品の羽根の部分は1枚1枚しっかりと半透明に仕上げる事ができたので、とても満足しています。

また、肢体についても女性型である事をしっかりと意識し、イフリートの時とはまた違った「しなやかな曲線」を描くよう心掛けました。

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- Leviathan -

 リヴァイアサンは「水神の神」で、獣人と呼ばれる者達の“神降ろし”によって現れました。

​ その姿は、東洋の龍に見られる細長い胴体と、西洋の竜を思わせるような羽と無数の角を組み合わせたようなフォルムで、大変迫力のある蛮神として登場しています。

 この作品の面白い所は、リヴァイアサンが、まるで海面からぬっと現れたかのような彫刻デザインで彫刻したところで、実際にグラスに水をそそぐと、手にした人を威嚇しているようにも見えるといった遊び心が添えられています。

写真のグラスには水は入っておりませんが、光の加減でなんとなく想像できるのではないでしょうか?

また、リヴァイアサンの尾にあたる部分は、グラスの後ろ側にまわっているので、元々は平面のデザインであるにもかかわらず、奥行きがみられる大変珍しい作品ともなっております。

- Shiva -

 シヴァは「氷神」の二つ名を持つ蛮神です。

​ 竜と人が時代を共にしていた頃のお話、そこに出てくる聖女シヴァは種族を超える愛に生きました。時がすぎ、1200年経った現在において、聖女シヴァを想う女性が、自身にシヴァを宿し、氷を操る蛮神として登場しています。

 この作品で一番に集中して彫っていった箇所は、洞窟に発生する氷筍を思わせるような髪型です。見ての通り、軽く湾曲している長細いシャンパングラスに彫刻していったのですが、割と細目のグラスなので、両手共に細かく動かしてグラスの角度を微調整してやらないと、思った場所に彫が入っていかないため、想像以上に苦戦したのを覚えています。

 しかし、仕上がってみると、とても美しいフォルムと光を放ってくれるのもこのグラス形状の特徴。私が好んで用意する素材の一つでもあります。

 

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- Sophia -

 ソフィアは「均衡」をつかさどる神とされ、その時々で形を変える正義を追求し、破滅を回避すると言われています。

 このソフィアのグラスは“ファンアートコンテスト2016 シリーズ”の最後に手掛けた作品なのですが、その当時で一番大きなグラスに彫刻するといった、未知への挑戦としたものでもありました。

 意識して見て頂くとわかると思いますが、グラスの上部から下部までしっかり彫刻をしてあるのが特徴です。ただ、このグラスは端の方を彫ろうとすると、反対側が重さで傾き、非常に彫りにくいという欠点がありました。右を彫れば左に、左を彫れば右に・・・重さに耐えられず手の筋肉が痙攣する思いで作りあげたという、まさに「均衡」を科せられた作品となりました。彫り終わった後に『もう一度、同じものを彫って!』と言われても絶対にやりたくない作品!と言っていたのを思い出します。

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